リリカ 新薬。 タリージェ(ミロガバリン)の作用機序:リリカ・サインバルタとの違い【神経障害性疼痛】

線維筋痛症(FMS)初の保険適用薬―リリカ(プレガバリン)がもたらす3つの変化

リリカ 新薬

こうした神経障害性疼痛の薬物療法で多く用いられているのが「プレガバリン(製品名は「リリカ」)」です。 プレガバリンは世界120ヵ国以上の国と地域で有効性と安全性が認められ広く使われています。 日本では、2010年から脊柱管狭窄症の治療薬として保険適用されました。 実際、痛み治療の世界標準となっている国際疼痛学会のガイドラインや、英国立医療技術評価機構、欧州神経学会、そして日本ペインクリニック学会のガイドラインなどでは、プレガバリンを、抗ウツ薬(三環系抗ウツ薬)などの薬とともに、神経障害性疼痛の第一選択薬として推奨すると記載されています。 このことからもプレガバリンは大きな効果の期待できる薬であることがわかります。 プレガバリンの有効率は約83%と高い試験結果 プレガバリンが痛みに効果を発揮するメカニズムを説明しましょう。 私たちの体では、血管の中を血液が流れて赤血球が酸素を運んでいるように、神経の中も痛みなどの感覚を伝達する物質が流れており、その情報を脳に伝えています。 そして、神経細胞間や、神経細胞とほかの細胞間で痛みを伝達するさいには、カルシウムイオンが関与していることがわかっています。 プレガバリンには、このカルシウムイオンが細胞に流入するのを低下させる作用があります。 その結果、痛みのもととなる興奮性神経伝達物質の放出を抑えられて鎮痛作用を発揮すると考えられます。 製薬会社の試験によると、プレガバリンの有効率は83%と高い数値を示しています。 これまで血管拡張薬や神経ブロック注射(脳への痛みの情報を遮断する治療法)などの治療の効果が得られず、脊柱管狭窄症の痛みに長年苦しんでいた患者さんが、この薬の登場によって救われたという例が数多く見られます。 プレガバリンの副作用と処方の基本 一方で、副作用の出現率は17%と低めで、依存性も少ないとされています。 副作用が出やすいのは男性よりも女性で、年齢別では65歳以上の人に多く見られる傾向があります。 注意したいのが、初めて使用するときや使用量を増やしたときに副作用が出やすくなることです。 副作用として多いのは、めまい・眠け・浮腫(体重増加)・便秘などです。 めまいや眠けについては、夕方または就寝前からの開始・増量によって気にならなくなります。 むしろ、夜に服用すれば、ぐっすり眠れるという利点があります。 プレガバリンは、カプセル形状の薬剤で、内容量は25mg、75mg、150mgの三種類があります。 飲みはじめの時期は、75mgを1カプセル飲むより、25mgを1カプセル、もしくは2カプセルと少量から開始して、飲む量を調節していけば、副作用の出現率を減らすことができます。 このように、最初は少量から始めて、効果と安全性のバランスを見ながら段階的に増量していくことが大切です。 実際の治療でもプレガバリンを活用して効果を実感 私自身も、脊柱管狭窄症による痛みやしびれの治療にプレガバリンを用いています。 例えば、脊柱管狭窄症で足腰の激しい痛みやしびれ、間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)に悩まされていた80代の女性は、消炎鎮痛薬などの薬と併せて、1ヵ月ほどプレガバリンを服用してもらったところ、症状が軽快し、歩くのもらくになりました。 また、脊柱管狭窄症による両足のしびれがつらくて来院した50代の男性にプレガバリンを処方したところ、一週間でしびれが完全に取れたという例もあります。 プレガバリンは、まだ比較的新しい薬のため、ジェネリック医薬品は今のところありません。 薬物治療の基本的な情報や、その他の脊柱管狭窄症で処方される薬については、以下の記事をご覧ください。 ・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。 ・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。 2004年 帝京大学溝口病院整形外科講師 2008年 三軒茶屋第一病院整形外科部長 2015年 医療法人アレックス明大前整形外科クリニック 副院長・アレックス尾山台整形外科 脊椎専門医として勤務 2017年 アレックス脊椎クリニック 院長 医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、脊椎内視鏡下手術技術認定医、日本脊椎脊髄病学会指導医、日本体育協会公認スポーツドクター、身体障害者福祉法指定医.

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タリージェ(ミロガバリン)の作用機序:リリカ・サインバルタとの違い【神経障害性疼痛】

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「薬などの化学合成物質で、人は元気になれない。 人を元気にするのは、自然のものだけ」私は常々、患者さんにそう訴えています。 現代人は、薬、食品添加物、農薬などによって、血液がどんどん汚れて不健康になっているのです。 整形外科の現場でも、薬は多用されています。 代表的な鎮痛薬のロキソプロフェン(商品名=ロキソニン)は、胃腸障害(胃痛、嘔吐、下痢、胸やけなど)、肝障害、腎障害などの副作用が頻繁に起こります。 日本では市販もされているので、簡単に手に入ります。 しかし、アメリカでは副作用が多いので、処方する医師は少ないといわれています。 痛みを訴える患者さんに対して、睡眠導入や筋弛緩を目的に、ベンゾジアゼピン系の薬(商品名=デパス、ハルシオン、レンドルミンなど)を出す整形外科医もいます。 これは向精神薬の一種です。 依存性が強く、急にやめると、せん妄やけいれん発作などの禁断症状が出ることがあり、減薬も注意を要します。 飲み続けると脳の機能が落ち、認知症の原因にもなる怖い薬です。 そして、痛みに対して処方される薬で、特に注意してほしいのが、プレガバリン(商品名=リリカ)です。 この薬は、神経障害性疼痛や線維筋痛症(全身や体の広範囲に激痛が起こる症状)の治療薬として、なかなか取れない痛みに対し、整形外科でよく使います。 ひざ痛や腰痛でも、経過が長引く場合や、ほかの鎮痛薬が効かない場合に、処方されるケースがあります。 リリカは、末梢から脳の中枢への伝達経路をブロックして、痛みの感じ方を鈍くする薬です。 つまり、根本的な痛みの原因を取り除くものではありません。 しかも、中枢に作用するため、多くの副作用を伴います。 添付文書によると、線維筋痛症の患者さんの82・9%に副作用が出ています。 めまいは27・5%、傾眠は39・6%です。 そのほか、意識消失、心不全、肺水腫、腎不全、低血糖、間質性肺炎(肺の間質組織の線維化を起こす病気)、劇症肝炎(症状が現れて8週以内に意識障害が現れる重症肝炎)といった重じゆう篤とくな副作用もあります。 私は開業当初、数人にリリカを処方したことがあります。 そのときは全員に、ふらつき、めまい、頭痛、悪心といった副作用が現れました。 それ以来、リリカはいっさい使用していません。 新たに来られた患者さんがリリカを服用していた場合でも、断薬をお勧めしています。 リリカには、ベンゾジアゼピン系の薬と同様の麻薬性もあります。 服薬をやめると、極度の疲労感、意識障害、不安感などの離脱症状が現れることも少なくありません。 やめるときは医師の指示のもと、少しずつ減らすなど、慎重に行うことです。 もう一つ、整形外科で出される薬で注意すべきは、骨粗鬆症です。 そのうえ、10年以上飲み続けると、骨の腫瘍ができることもわかっています。 女性の骨粗鬆症に対しては、女性ホルモンに似た働きをするエストロゲン製剤(商品名=ビビアント、エビスタなど)が出されることもあります。 これらは天然の女性ホルモンではなく、人為的に操作されたものなので、子宮や乳房への副作用が懸念されます。 薬は表面上よくなったように見えるだけで、決して病気を治したり、体を健康にしたりするものではありません。 健康になるには、血液をきれいにすることがいちばん。 それには、食生活の改善、よく噛か むこと、ゆったりとした呼吸を行うことなどを意識して行うほうが、薬を飲むより断然有効で安全です(下図参照)。 また、痛みはすべて、体の滞りが原因です。 急性期以外なら、局所を温めたり、滞っている部分をほぐしたりすることが、根本的な改善策になります。 私は健康プロデューサーの杉本錬堂氏が考案された、「天城流湯治法」という手当て法を学び、各症状に合わせた手技を患者さんに指導しています。 脊柱管狭窄症で足に痛みとしびれがあった80代の女性は、リリカなど5種類の薬を数年間飲み続けていました。 しかし、薬を少しずつやめてもらい、天城流の手技を行ってもらったところ、約2週間で10年来の痛みとしびれが改善しました。 骨粗鬆症の患者さんには、薬をやめてもらい、玄米を中心に、野菜、海藻、小魚などをバランスよくとる食生活と、よく噛むことを行ってもらいます。 その結果、半年後には多くの人の骨量が1~3%上がり、骨の質もよくなっています。 薬に頼るより、根本的に治す方法があることを、ぜひ知ってください。

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リリカの効果と副作用は?神経障害性疼痛やしびれに対する効果について

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リリカは国内での販売額トップの薬剤だ(筆者撮影) プレガバリンは現在、国内で販売されている全ての薬剤の中で、だ。 2017年は937億円に達し、中外製薬の抗がん剤「アバスチン」や、小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」を上回った。 しかし、この隆盛の背景にあるのは、従来のルールを逸脱した前代未聞の不公正な動きである。 効能がはっきりしない疾患に対する乱用が、医療現場で続いているのだ。 海外の医学専門誌が警告 プレガバリンの適応症は「神経障害性疼痛」となっているが、その効能が治験で実証されている具体的な傷病は「線維筋痛症」「帯状疱疹後神経痛」「脊髄損傷後疼痛」「糖尿病性神経障害に伴う疼痛」だけである。 にもかかわらず、臨床の現場では腰痛症や坐骨神経痛、関節痛といった治験が全くなされていない多くの整形外科疾患に対して、長年にわたって処方されつづけている。 こうした適応外疾患に対する効能は、学術性の高い臨床試験においてすべて否定されている。 医学界でもっとも権威ある総合医学専門誌のひとつ「New England Journal of Medicine」は、で、プレガバリンの販売額が急増している現状に対して、次のように強い懸念を表明した。 プレガバリンは2004年に糖尿病性神経障害と帯状疱疹後神経痛の治療薬として、また2007年に線維筋痛症の治療薬として承認された。 だが製薬会社の広告は、もっと一般的な用途を持った鎮痛薬として宣伝されている。 一部の臨床医は、線維筋痛と似た曖昧な疼痛ばかりか、腰痛や変形性関節症といった明確に異なる症状に対してもプレガバリンを使用して、適応外処方を正当化している。 ここで重要なのは、適応外処方された患者の被害に対する責任の所在である。 日本においては、学術的根拠を逸脱した適応拡大を認めた医薬品医療機器総合機構(PMDA)と、それを巧妙に利用して不公正なプロモーションを続けたファイザーの両者が問われねばならない。 米国の審査当局であるFDAも、また欧州のEMAでも、プレガバリンの適応症は「帯状疱疹後神経痛、脊髄損傷後疼痛、糖尿病性神経痛、線維筋痛症」と具体的な疾患を特定している。 これに対して日本では、臨床試験もないまま言葉だけをすり替えて、あいまいな「神経障害性疼痛」という実体のない疾患名へと適応拡大され、臨床現場や保険審査員に対する情報操作がされてきた。 内服後にふらつき、救急車で搬送 プレガバリンの副作用は非常に強い。 臨床でしばしば経験するのは、めまい、傾眠、意識消失などだ。 私の周囲にも、プレガバリンを内服後にめまいで転倒して骨折した人、意識がなくなって救急入院した人が複数いる。 愛知県内で循環器系のクリニックを経営する男性院長は、ご自身が頸椎症性神経根症の痛みとしびれに対してプレガバリンを処方された。 内服したところ診察時に呂律が回らなくなり、めまい・ふらつきで歩行が困難になって救急車で基幹病院に搬送されたという。 院長は、自分のこの経験を広く公表しても構わないという意向を持っておられる。 証拠として自分が歩行困難になった状態を動画で記録している。 いまもこうした被害が、各地で続いているに違いない。 国内の整形外科疾患の多くの患者さんが、効能の実証されていない薬を飲まされ続けている。 リリカには強い副作用がある(筆者撮影) 私は2017年の秋、製造販売元のファイザージャパンはもちろんのこと、審査機関であるPMDAと、学術組織である日本整形外科学会および日本臨床整形外科学会に対して、プレガバリンの適応症の公正化・具体化を望む要望書を出した。 だが、残念ながら昨年3月の再審査期限までに適応症の再検討はなされなかった。 結果、長年にわたって年間何百億円もの国民医療費(税金)がプレガバリンを通じて海外流出し続けている。 「産・官・学」そろっての怠慢である。 ちなみに通常、整形外科領域で痛みに処方されるプレガバリンの費用は、75mg(111. 5円)X 2錠で1日あたり223円になる。 これに対して、代表的な鎮痛剤であるロキソニンなら、60mg(14. 5円)X 3錠 = 43. 5円であるし、そのジェネリックなら 60mg(7. 3円)X 3錠 = 21. 9円で済む。 プレガバリンは非常に高価な薬剤だ。 ・・・ (残り:約1285文字/本文:約3163文字).

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