御簾よりなかば出でて。 屈辱 → 雪辱の構図(黒田節・小式部内侍・草紙洗小町・伊勢大輔・山部赤人): 空中庭園@下丸子 改め 地上庭園@福岡市南区老司

第62回 「賢木」より その5

御簾よりなかば出でて

前回に引き続き、授業での取り組みについて考えてみたいと思います。 今回はひと通り文法の確認ができた段階で行いたいことをまとめていきます。 そこに生徒自身が考えるの隙間はあまりなく、教師の講義によって進められる場合がほとんどです。 私はほとんど答えが決まっている中で生徒が自らの力で教材に関する発見をする機会をできるだけ与えたいと考えています。 それは品詞分解が必要でないというのではありません。 私自身大学では古文を専攻しましたし、学ぶ中で文法知識がきちんと見についていることの重要性を感じてきました。 どんなに面白く読みたい、どんなに新しい発見をしたいと願っても適切に読む技量がなければそれが叶わないのです。 そのため文法を学ぶのは非常に重要なことだと思います。 しかし学ぶ過程でテストのような「この文での単語の扱いや内容は必ずこうなる」というような押しつけは間違っていると思います。 なぜなら単語や内容の解釈には幅をもたせることができるからです。 それが文字の芸術として表れているのが掛詞です。 前回でまとめた助詞「に」の扱いも幅を持った解釈ができる部分です。 そのような要素に目を向け、「あなたならどう考えましたか?」という問を投げかけたいと考えています。 どのような捉え方ができるかを挙げ、あなたはどの解釈を支持しますか?理由も答えてください。 オーソドックスなものだと思います。 大切なのは自分で疑問を持って考えること、調べることです。 なぜこのような言い方をしたんだろう、というものに目を向けていってもらいたいです。 いわゆる遊びのある設問で、ただ知識を受け取るだけではなく、自分発信で古典と向き合うきっかけになってほしいと思います。 御簾の構造を理解し、少し上に上がった御簾の下から上半身を出したという話をすると面白がる生徒もいます。 このような絵を描くのは御簾だけでなく当時の服装や建物の構造、慣例にも興味が向きますし、内容把握に役立ちますね。 また古語で和歌を読もうとすることで単語や古語文法の習得にも役立つと思います。 和歌に関連するものであれば、俵万智が伊勢物語の和歌で行ったように和歌を現代短歌にリメイクするというのも取り入れてみたいと考えています。 受身の授業よりも生徒が身を乗り出して取り組んでもらえるような授業の方が、私も授業を行う立場として面白いですから。 そのための話の持って行き方や生徒のノせ方は日々勉強です。 動画撮影で自分の発信力のなさを痛感しました。 今回挙げているものはありきたりなものだと思いますので、他にもいいものがあればぜひ教えて下さい。

次の

上の御局の御簾の前にて

御簾よりなかば出でて

角川ソフィア文庫の石田譲二氏の新訳の訳注を参考に、自分の言葉で意訳してみました。 精確な訳を知りたい方は、石田氏をはじめとする学者の先生方のものをご参照下さいませ。 上の御局の御簾の前にて、殿上人、日一日、琴、笛、吹き遊び暮らして、大殿油まゐるほどに、まだ御格子はまゐらぬに大殿油さし出でたれば、外のあきたるがあらはなれば、琵琶の御琴を、縦様に持たせたまへり。 紅の御衣どもの言ふも世の常なる、打ちも張りたるも、あまたたてまつりて、いと黒うつややかなる琵琶に、御袖をうちかけてとらへさせたまへるだにめでたきに、そばより、御額のほどのいみじう白うめでたく、けざやかにて、はづれさせたまへるは、たとふべき方ぞなきや。 近く居たまへる人にさし寄りて、「なかば隠したりけむは、えかくはあらざりけむかし。 あれは、ただ人にこそはありけめ」と言ふを、道もなきに分けまゐりて申せば、笑はせたまひて、「別れは知りたりや」となむ、おほせらるる、と伝ふるも、いとをかし。 上の御局の御簾の前で、殿上人が、一日中、琴を弾いたり、笛を吹いたりして、楽に日を暮らして、そろそろ大殿油の灯りを差し上げる頃になった。 そして、まだ御格子を下ろさないうちに、大殿油を差し上げた。 外の御格子が開いていて、部屋の中が透けて見えてしまうので、中宮は、琵琶の御琴を縦に立ててお持ちになった。 紅の衣で、言葉もないほど美しい、打ったり張ったりして艶を出した衣をたくさん重ねられて、たいそう黒く艶やかな琵琶に、御袖をうちかけてお持ちになっているお姿だけでも素晴らしいのに、その琵琶から、お額のあたりが、抜けるように白く、素晴らしく、鮮やかにこぼれてお見えになるご様子は、例えようもないほどのお美しさでいらっしゃる。 近くにいた朋輩の女房に近づいて、「顔を半ば隠していたという人も、こんなにお美しくはなかったでしょうね。 あれは、ただ人だったから」と言ったら、それを聞いた女房が、ほかの女房がたくさん侍していて道もないほどの混雑を分け入って、中宮様に申し上げた。 すると、お笑いになり、「別れの心はご承知?」と仰せられた、とその女房から、伝えられるのも、とても面白い。 このやりとりは、石田氏の訳注によれば、白楽天の琵琶行の一節、 「移船相近激相見 添酒廻燈重開宴 千呼万喚始出来 猶抱琵琶半遮面」 (一節目の「激」という字には、本当は之が付いていますが、変換できませんでした) 「酔不成歓惨将別 別時茫茫江浸月」 という漢詩から来ているそうです。 やり取りそのものの面白さは、原典を知らない私には、あまりよく味わえませんでしたが、定子の「笑はせ給う」という、いつもながらの明るい反応と、打てば響くようなお返事が、軽やかで楽しそうな場面だな、と思いました。 この文章は、夕暮れの頃、離れた場所から見ると、大殿油の灯の下、中宮の額の白さが、鮮やかにこぼれて見えたという描写が印象的です。 夕暮れ時、遠くの方で、柔らかなともし灯を受けて、綺麗なものが光を発しているような、幻想的な印象を受けました。 中宮の匂やかな若さ美しさがよく表わされていて、とても繊細な描写だと思います。 黒く艶やかな琵琶、光沢を出した豪華な紅い衣に、抜けるように白い肌、という色鮮やかなコントラストと光沢感にも、華があります。 この時代は、貴人の顔かたちについて、あからさまに描写する事を避けていたようで、紅梅色のつやつやとした御手とか、扇でぴったりお顔を隠したお姿とか、紅梅の御衣を幾多にも重ねたのが素晴らしい、といった描写に留まっていますが、それが、かえって、この世のものならぬ美しさ、という感じを醸し出していると思います。 また、中宮が上の御局におましで、御簾の前には、殿上人が集って楽に日を暮らし、御簾のうちには、歩く隙間もないほど女房が侍しているという設定には、中関白家の栄華の最盛期の頃を描いた感じがします。

次の

「直衣」に関するQ&A

御簾よりなかば出でて

東京都府中市の大学受験プロ家庭教師『逆転合格メーカー』のコシャリです。 いつも独学受験. jpにお越しいただきましてありがとうございます。 助動詞: 薄緑のマーカーです 敬語: 緑のマーカーです 係り結び: オレンジのマーカーです。 歌合の歌人に選ばれた小式部内侍をからかった定頼の中納言!返り討ちに! 歌人として有名な和泉式部さんの娘、小式部内侍さんは当時、自分の歌がうまいのは母の和泉式部が代わりに詠んでいるからではないか?と人々から疑われていたという。 そんな中、自分をからかった定頼の中納言をみごとな詠みっぷりで返り討ちにした小式部内侍さんに当時を振り返ってもらった。 前から自分の実力がちゃんと評価されてないなとは思っていたんです。 有名な歌人の母の七光なんじゃないの?代わりに読んでもらってるんじゃないの?って。 今回いい機会だと思って、ちょっかいを出してきた定頼の中納言の袖を掴んで聞かせてやったの。 私が詠んでるのよって。 そしたらどうなったと思う? 定頼の中納言ったら返事もしないでどっか行っちゃったの。 しつれーな奴だと思わない?。 ていうかダサすぎるわよね? 心の中で中指を立てていたわ。 あらいけない、ついつい本音が出ちゃったわね。 今のはオフレコでよろしくね。 まあこれを機会に私も有名になったから、定頼の中納言には感謝しているわ。 彼はいい踏み台になってくれたわね。 では後半のコシャリの空想は置いておいて、内容に入っていきましょう。 和泉式部、保昌が妻 にて丹後に下り けるほどに、 京に歌合あり けるに小式部の内侍歌詠みにとら れて詠み けるを 現代語訳 和泉式部が、夫の保昌の妻として(保昌の任国の)丹後の国に下っていた頃に、 都で歌合があったが、(和泉式部の娘の)小式部内侍が歌人に選出されて、歌を詠んだが、 品詞分解 和泉式部 名詞 保昌 名詞 が 格助詞 妻 名詞 にて 格助詞 丹後 名詞 に 格助詞 下り ラ行四段活用動詞「下る」連用形 ける 過去の助動詞「けり」連体形 ほど 名詞 に 格助詞 京 名詞 に 格助詞 歌合 名詞 あり ラ行変格活用動詞「あり」連用形 ける 過去の助動詞「けり」連体形 に、 格助詞 小式部の内侍 名詞 歌詠み 名詞 に 格助詞 とら ラ行四段活用動詞「とる」未然形 れ 受身の助動詞「る」連用形 て 接続助詞 詠み マ行四段活用動詞「詠む」連用形 ける 過去の助動詞「けり」連体形 を、 接続助詞 定頼の中納言戯れに、小式部の内侍に、 「(歌人として有名な母和泉式部のいる)丹後に派遣した人はもう帰って参りましたか。 「踏み」=足で踏む=行く• 「文」=手紙 の掛詞になっています。 このパターンを覚えておこう! 品詞分解 大江山 名詞 いくの 名詞 の 格助詞 道 名詞 の 格助詞 遠けれ ク活用形容詞「遠し」已然形 ば、 接続助詞 まだ 副詞 ふみ 名詞 も 係助詞 み マ行上一段活用動詞「みる」未然形 ず 打消の助動詞「ず」終止形 天の橋立 名詞 と詠みかけ けり。 思は ずにあさましくて、「こはいかに。 」 とばかり言ひて、返しにも及ばず、袖を引き放ちて逃げ られにけり。 小式部、これより、歌詠みの世おぼえ出で来 にけり。 現代語訳 と(小式部内侍は定頼の中納言に)詠みかけた。 定頼の中納言は思いがけず(小式部内侍のみごとな歌の詠みに)驚いて、 これはどうしたものだ とだけ言って、小式部内侍への返歌も出来ず、小式部内侍の掴まれた自分の袖を引き離してお逃げになった。 小式部内侍は、この時から、歌人として世間の評判になることになった。 品詞分解 と 格助詞 詠みかけ カ行下二段活用動詞「詠みかく」連用形 けり。 過去の助動詞「けり」終止形 思はずに ナリ活用形容動詞「思はずなり」連用形 あさましく シク活用形容詞「あさまし」連用形 て、 接続助詞 「こ 代名詞 は 係助詞 いかに。 過去の助動詞「けり」終止形 小式部、 名詞 これ 代名詞 より 格助詞 歌詠み 名詞 の 格助詞 世おぼえ 名詞 出で来 カ行変格活用動詞「出で来」連用形 に 完了の助動詞「ぬ」連用形 けり。 過去の助動詞「けり」終止形 この記事を読んだ人は下の記事も読んでいます お役に立てましたらランキングをクリックしていただけると大変うれしいです。

次の